
「暑い日は外へ出ない方が安心ですよね?」
ご家族から、このようなご相談をいただくことがあります。
確かに、真夏の炎天下での運動は熱中症の危険があるため注意が必要です。しかし一方で、暑さを理由に一日中座って過ごす日が続くと、足腰の筋力が低下し、歩く力や生活する力が衰えてしまうことがあります。
認知症のある方にとっても、**安全な環境の中で身体を動かし、役割のある生活を続けること**は、心身の健康を維持するうえで大切なことです。
◼︎◼︎◼︎夏に気を付けたい「動かない生活」◼︎◼︎◼︎
暑い季節になると、
* 「今日は暑いから部屋で過ごしましょう」
* 「危ないから座っていてください」
という場面が増えがちです。
もちろん安全への配慮は大切ですが、長時間座ったままの生活が続くと、筋力や体力の低下だけでなく、昼夜の生活リズムが乱れたり、意欲の低下につながったりすることもあります。
だからこそ、「無理をしない」「でも動かないままにしない」というバランスが大切です。
◼︎◼︎◼︎認知症のある方にも大切な「生活の中で身体を動かすこと」◼︎◼︎◼︎
運動というと体操や筋力トレーニングを思い浮かべる方も多いかもしれません。
しかし、認知症対応グループホームでは、日常生活そのものが大切な運動になります。
例えば、
* 花や野菜への水やり
* 洗濯物を干す・たたむ
* 食卓の準備や片付け
* 掃除や雑巾がけ
* 廊下や庭をゆっくり歩く
* 季節の飾りつけを一緒に行う
こうした活動は、身体を動かすだけでなく、「誰かの役に立っている」という喜びや達成感にもつながります。
◼︎◼︎◼︎暑い季節でも安心して身体を動かすためのポイント◼︎◼︎◼︎
① 涼しい時間帯や室内を活用する
朝夕の比較的過ごしやすい時間や、空調の整った室内で無理なく身体を動かします。
② こまめな水分補給を心がける
認知症のある方は、喉の渇きを感じにくかったり、水分補給を忘れてしまったりすることがあります。そのため、職員が声をかけながら、無理なく水分を摂っていただけるよう支援しています。
③ 体調の変化を見逃さない
顔色や表情、食欲、歩き方など、いつもと違う様子がないかを日々確認しながら、一人ひとりの体調に合わせて活動内容を調整します。
④ 「できること」を続ける
暑いからといって何もしないのではなく、その日の体調に合わせて無理のない範囲で活動を続けることが、身体の機能や生活リズムを保つことにつながります。
◼︎◼︎◼︎私たちが大切にしていること◼︎◼︎◼︎
私たちのグループホームでは、「認知症だから何もできない」と考えるのではなく、その方が今もできること、やってみたいことを大切にしています。
料理が好きだった方には野菜の皮むきをお願いしたり、植物が好きだった方には花の水やりをお願いしたり、それぞれの得意なことや経験を活かせる場面をつくっています。
身体を動かすことは目的ではなく、「その人らしい暮らし」を続けるための手段だと考えています。
◼︎◼︎◼︎医療との連携で、夏も安心して暮らせる環境を◼︎◼︎◼︎
暑い時期は脱水や体調の変化が起こりやすい季節です。
私たちは、日々の体調管理に加え、訪問診療医や訪問看護ステーションと連携しながら、ご本人の状態に応じた支援を行っています。
「少し元気がない」「食事量が減った」といった小さな変化も共有し、必要に応じて早めに相談・対応できる体制を整えています。
◼︎◼︎◼︎まとめ◼︎◼︎◼︎
暑い季節は、熱中症への対策が欠かせません。しかし同時に、「動かないこと」による体力や生活機能の低下にも目を向けることが大切です。
私たちは、一人ひとりの体調を見守りながら、安全に身体を動かし、役割のある毎日を送っていただけるよう支援しています。
認知症になっても、その人らしく暮らし続けることはできます。
「最近、親が家で動かなくなった」「暑さで体力が落ちてきた気がする」と感じたら、どうぞ一人で悩まずにご相談ください。見学やご相談は随時受け付けています。



